課題説明
素材・材料学を学ぶにあたり、また、ウルトラファクトリーに入る前段階として、初歩的な工作機械に触れる授業が行われた。
木材や金属、プラスチックや壊れた携帯電話といった様々な材料を、班ごとに設定された「接着」や「切断」といったテーマをもとに加工していく。私の班は「固定」をテーマに加工作業と課題を進めていった。
私の認識が間違っている可能性も考慮して、先生が授業目的などを書き記した文書も参照して欲しい。
班での活動
Fabbleに詳しい活動内容が記録されているので確認して欲しい
この場で簡単な活動を纏めると
- 椅子作って
- 課題をこなして
- 暴走して
- ultra factoryで専門的な固定器具について学んだ。
個人の活動
個人の活動といっても、個人で何かプロジェクトをしたわけではない。活動は班単位のもので、私の主な仕事は文章をまとめる事だったと思う。Fabbleに色々と。
記録自体が成果というのはなんとも、肩身が狭いものだ。ただまぁ、裏方以外何もしなかったわけではない。
- 構造設計案の提示
- 固定具の操作
- 素材探し
- 発泡スチロールをGクランプを使っての接着作業
- 破片のような大きさの素材を研磨可能な程度に固定する
- その他細かい雑用
・・・。
個人活動で怪我をするような失敗は無かった。固定作業で失敗など珍しい部類ではあるが。
そもそも、固定で失敗するとなればどのような失敗があるだろうか。
- 固定の力加減のミスによる材料の破損
- 固定力不足による材料の位置変動
- 万力などによる圧力から材料が吹っ飛ぶ
パッと思いつく限りこんなところか。今回行った固定作業では、発泡スチロールを万力を使っての接着作業が一番失敗の危険性があった。発泡スチロールにGクランプは過剰だという突っ込みは無しで願いたい。 必要な作業は発砲スチロールと板材を接着剤で貼り合わせ、接着剤が固まるまで固定するという、それだけのことではあったのだが。 発泡スチロールはその密度の低さから、潰れやすい。Gクランプを普通に使っては締め上げるまでもなくその重量のみで陥没するかもしれない。だからといって固定無しで接着をしていれば接着剤が乾くまでに材料同士がずれて、そのまま接着されてしまう危険がある。
- 固定の力加減のミスによる材料の破損
- 固定力不足による材料の位置変動
の二つの危険があった訳だ。こう書くと解決が難しいように思えるかもしれないが、解決策はいたって簡単だったりする。 Gクランプは点の圧力を掛けるから、発泡スチロールが陥没する。だったら、発泡スチロールとGクランプの間に丈夫な板材を差して、面の圧力に変えればいい。ちなみに、それでも潰れるような材料を使う時や上部が平面でない材料を使う時は…
- ロープやテープなどの他の負荷のかかりにくい固定方法を使う
- 上に安定して乗るものを積み重ね、微調整しながら重さで固定する
- 風が吹かない、触らないようなところに置いておく
などの方法を使うといい。多分。
そもそも、輪ゴムか何かで留めればいいという話といえばそれまでなのだが。
まとめ
ウルトラファクトリーにおいてあるような工具は見たことすらないものが床一面に散らばっていr置いてある。これからそんな未知の道具にも触れていく前に、注意力を呼び覚ます機会が提供されてよかったと思う。
ついで
ついでに…
書きかけたまま載せられなかった物も含め、今回の課題のメモをここにも書いておく。
ここより下はFabbleとかからの転載なので
読まなくても大丈夫です
ワークショップの案
案1 :万力を使って携帯電話などを破壊し、その危険性を知ってもらう
構想:一班一班が順番に発表していく(パフォーマンス型ワークショップ)場合の案。力自慢の他の班の人を募集して、ゴーグル等着用の上、実際に何かを破壊してもらう。
理由:今回の授業は言わば「失敗の場」である。実際に失敗したときにどのような被害が起こりうるのか、知ってもらうというのは大切な事だと思う。また、今回の授業で一番、把握班の「特に興味深かった物」に相応しいかと。
案2 :インパクトドライバーを使ってネジ止めとネジ外しを体験して貰う
構想:班の数人がワークショップを展開している間、残りの班員が他の班のワークショップを体験する形の場合(体験型ワークショップ)の案。二人か三人の交代で、インパクトドライバーの使い方をアドバイスしながら、他の班の人に使用した感じを体験して貰う。
理由:インパクトドライバーはいわゆる「見てると簡単そうだけど使ってみると難しい」類の道具です。垂直に、狙った場所にネジを締めたり、ネジ穴からドライバーが抜けないようにしたり、回転速度を調節したり。何かを大勢の人に「体験」して貰うにはもってこいだと思います。
万力(バイス)
この項では、万力の中で特にバイスと呼ばれるものについて記述する。クランプについては別項の「万力(クランプ)」を参照して頂きたい。
・教室内で扱ったバイス
今回教室内で使用したバイスはどれもが小型の、軽量のもので、後述するウルトラファクトリーの超重量級バイスとは比べるのも烏滸がましいものであった。そのため、ボルトなり底面の吸盤などを使わなければならなかったのだが…。いくら作業机とはいえ教室の備品に穴を開ける訳にもいかず、吸盤に至っては唯一の固定設置パーツであるにも関わらず机に吸着しない、という事態に陥った。そのため、今回の授業において把握班は解決策として、バイスをクランクで机に固定したり、バイスが動かないよう祈ったりしながら作業をした。
出だしから不安しかないが、今回の授業でバイスの机への固定不足による事故は無かった。
・じゃあ何の事故があったの
視界の端を横切る黒い影。振り向くと、黒いプラスチック製のホイールが音を立てて床を転がる所だった。幸いなことに、けが人は居なかった。
拾い上げたホイールは目視でもわかるほど明らかに、楕円形に変形していた。反発力を使ってバネみたいに吹っ飛ばしたのだろう位に思っていたのだが、後から聞いた話ではバイスで潰そうとして吹っ飛ばしたらしい。
固定力というか、保持力が足りなかったのだろう。ベクトルの向きを考えてみると安全な破壊方法がある程度見えて来るので、頭の隅に置いておいて欲しい。破砕したい時の対処案は、木こりの「狙った方向に木を倒す」アレみたいに材料に切れ込みを入れるとか。粉砕したい時は板材で挟んだ上から圧を掛けるなり
バールのようなもので殴るなりするといい。
・バイスの扱いについて
バイスだけに限らず、工具全般に関する話と思って読んで欲しい。
教室内で使ったバイスの中には、精度も塗装も構築も粗悪な不良品もあった。詳しくは別項にまとめておく。
件のバイスは別段誰かが壊した訳ではなく、最初からバイス型の漬物石だった。ただ、バイスというものはその扱う力の大きさから、工具としても特に頑強さが求められる部類である。現に、上で少し触れた超重量級バイスも一部接合部に不調を来たしていた。大きい力を扱う事を想定した工具ではあるが、だからと言って手荒に扱ってはその寿命を縮めてしまう事へと繋がる。道具を大切に、的な説教臭い話を後で書いとくので読んで欲しい。
・ウルトラファクトリーに置いてあったバイスについて
バイス以外のウルトラファクトリーの工具は別項を参照して頂きたい。
まずはさっきからちょくちょく話に出て来た超重量級バイスについて。台を含めると膝丈程もあるバイスだ。総重量はキロ2桁は軽いであろうその工具は、シンプルに扱える力がえげつない。ハンドルの長さによるトルクの大きさに加え、潤滑油漬けによる力の変換効率から、凄まじい圧力を発生させることができる。具体的に言うと、フレームが残った(=補強されている)携帯電話を側面から破砕するほどの力だ。人間が全体重を掛けた程度では壊れない、と言えばその凄まじさが伝わるだろうか。
他には、水平軸の回転が可能なアングルバイスや、ロッキングプライヤが置いてあった。
ロッキングプライヤに関してはその他に分類するかどうか悩んだが、別名としてバイスグリップという名前があったため、この項にて紹介する。
ロッキングプライヤは複雑な機構に見えるがその役割はいたって単純で、プライヤ(大顎のペンチのような工具)にロック機能が付いた物だ。逆作動ピンセットの親玉みたいなものだと思えばいいか。
アングルバイスは物を挟んだまま角度を変えられるため、研磨などの角度を頻繁に変える作業で特に真価を発揮するだろう。反面、可動部に負担が掛かる金属の変形のような作業には向いていない。
万力(クランプ)
この項では、万力の中で特にクランプと呼ばれるものについて記述する。クランプについては別項の「万力(バイス)」を参照して頂きたい。
・今回の授業で触れたクランプ
同じ万力に属するバイスに比べ、クランプの多くは用途が限定されすぎてウルトラファクトリーでも見かけることは出来なかった。代わりとばかりに全長50センチ程度のバカでかいクランプが置いてあるのは目にしたが、おそらく役割自体は普通の物と何ら変わりないだろう。
今回触れたクランプの種類は二種類、GクランプとFクランプだ。GクランプはCクランプ、FクランプはLクランプとも呼ばれるが、その形状はどこからどう見てもGとFである。この二種はイロモノが多いクランプの中で珍しく汎用性の高いものとなっている。役割はいたって単純で、二方向から挟むようにして押さえつけるというもの。刃のない糸鋸のような形状をしているが、糸鋸が上下から刃を引っ張るのに対しクランプは間に挟んだ素材を抑えつけるのだ。
これらのクランプは仮止めの道具として非常に優れており、長時間の仮止めにも力が必要な仮止めにも使える。ただ、クランプは点の圧力をかける道具なので、柔らかい素材に対しては間に何か挟むなり力加減に気を付けるなりすることが望ましい。
・他にどんなクランプがあるのか
用途が限定されるだのイロモノが多いだの散々言ってきたが、実際にはどんなクランプが存在するのか。
ベルトクランプ・・・額縁・スクリーンなどの縁モノ専用クランプ。
三方クランプ・・・三方向から、三種類の材料を締め付ける場合に使用される。
バネクランプ・・・巨大洗濯バサミ。以上。
ハタガネ・・・和製クランプ。家具などの他、襖や障子作りのための工具。
顔ぶれはまさにイロモノそのものである。ただ、特化した道具といえばそれまでで、専門職の工具なども存在する事を考えると、工具とはそもそもそういうものなのかもしれない。
・班での使用
バイスに比べ破壊力が小さいためやや不人気の傾向があったが、材料の固定だけでなくバイスの固定など様々な面で活躍してくれた。「ずっと押さえつけといてくれる」という、ただそれだけの道具ではあるのだが、その便利さ故にこれから何度も使っていく事となるだろう。コツと言えるようなものもあまりない初歩的な工具の一つなので、早いうちから使い方を学ぶ機会があって良かったと思う。
道具の破損
形あるものはいつかは壊れるとは言うが、できるだけ長持ちはさせたいもの。道具を長く使うために必要な事をいくつか纏めておく。
・粗悪品を見極める
今回の授業で、バイスの中にバイス型の漬物石が紛れていたのを覚えているだろうか。至誠館一階のあの大量の工具を揃えた時に一緒に運び込まれたのだろう。購入された工具の数からして全て店頭で購入されたとは思えないし、恐らくネットでの購入品だ。
通信販売が便利なのにも関わらず店頭販売が廃れない理由がここある。商品を手に取って初めて、それが粗悪品か否かを見極められるのだ。評価やレビューすら素人やサクラの妄言が蔓延する以上、出来るだけ商品は手に取って購入を決めてほしい。
ただ、至誠館一階の工具はクロステック一期生の入学に合わせ急遽揃えられた物が殆どだ。多分、確かそうだったはずだ。私たちのような素人が購入を担当していれば至誠館一階の漬物小屋化は免れない所だったであろう。他の工具を見る限り購入担当者はかなりいい仕事をしているので、留意しておいて欲しい。
・丁寧に扱う
まぁ、常識だと言われればそれまでではある。ただ、道具を丁寧に扱うのと工具を丁寧に扱うのは実は少し違うのだ。
例えばここに曲がった釘が一本あるとしよう。…ペンチ二本でグイッとやれば直りそうなので、訂正してーーーここに曲がった五寸釘があるとしよう。しかも和釘だ。藁人形でも打ちこんだのだろうか??ちなみに五寸釘、しかも和釘ともなれば硬くて太い…違うそうじゃない、大きくて丈夫なので、ペンチ2本では多分どうにもならない。
で、だ。いくら和釘とはいえハンマーで叩けば叩き直せるかもしれない。ちょうどいい、ここには金床はないけどバイスがある。ーーーと、ここでバイスの上で何も考えずに鍛治仕事を始めてしまってはバイス型の漬物石が増えかねない。機構部に歪みが生じる可能性があるためだ。
ところで、バイスの金口(材料を挟む部品)は材料にもよるが一番負荷が掛かる部品のため、かなり頑丈な鋼が使われている。また、バイスの中には金床が一体になっているものも存在する。何が言いたいかと言うと、工具には手荒に扱う事を前提とした部品や使用法があるのだ。道具の構成を見極め、どう扱うと長持ちするかを考える癖を身につけて欲しい。
ちなみに、五寸釘をバイスで挟めば直るだろ、というツッコミは無しで願いたい。
・メンテナンス
非常に申し訳ないが筆者は素人なのでメンテナンスに関する正しい知識は先生方に教わって貰いたい。初歩的な知識だけ挙げると、汚れを落とす(錆や腐食の原因)、水気を落とす(錆の原因)、錆を落とす(錆が広がるから)。簡単に言うと錆を許すな。
冗談のように書いたが、工具型の漬物石を買ったのならともかく、使っていた工具が漬物石化する原因の大半は錆だと思う。あとは歪みなどだが、そこはメンテナンスではなく扱い方の領域だ。
・最後に
工具がぶっ壊れていると、作業が進まない、修理にせよ買い換えるにせよ金が掛かる、イライラする、怪我に繋がる、とロクなことがありません。安全講習の機会に、工具をブッ壊さない事も安全に繋がる事を覚えておいてください。これで皆さんが壊れた工具が原因で死んだら、筆者が全力で死因を漬物石にします。
ワークショップの追記
・Gクランプは二つの物体(「材料と材料」「作業台と材料」など)を固定するための工具です。定点圧力を掛けるため、力を込めすぎると材料に陥没が生じます。
・バイスはそれ自体を机や床に固定し、材料を挟み込んで固定する工具です。先生の話にあったように、テコの原理とネジの動力伝達を以てして凄まじい圧力を材料に掛けます。
例えば作業中に材料が動いて失敗した、などの理由で力任せに工具を使用すると、材料が今回の携帯電話と同じ末路を辿ります。万力を使って「失敗」すればどうなるかを、失敗を学ぶ今回の授業の機会を通して皆さんに知ってもらおうと思い、今回のワークショップを提案しました。
電動ドライバー
書きかけの項目
この項ではドリルドライバーとインパクトドライバーについて説明する。
・はじめに
ぶっちゃけ、筆者は此奴らについてあまり知らないので調べながら書いた。本音を言うと説明は専門家(具体的に言うと先生方)にお任せしたい所だが、
一項丸々先生方に説明を丸投げする訳にもいかないので、割と丁寧に調べながら書いた。それでも素人の書くことなので、詳しい話は先生のところへgo。
・使用にあたって
電動ドライバーはその重量からか、見た目より遥かに扱い辛い工具だ。何せ、扱うのがネジ一本であるのに対して道具の方のドライバーが明らかに過剰戦力な見た目をしている。だって、アイツら普通のドライバーの何倍だって話だよ。ただ、その質量に応じた働きはしてくれる、具体的に言うと超速超パワーでネジの締め抜きが出来るので、大量のネジを扱う時に使えるように是非、扱いかたを覚えて欲しい。
…うん、アレをネジ2、3ヶ所に持ち出すのは大げさだと思うんだ。カッコつけて一々持ち出す人もいるけど、側から見ると近所のコンビニに車で出かけるようなカッコ悪さを感じる。電動工具なだけに配線なりバッテリーなりドライバービット(電動ドライバーの先の部品)を取り替えるなり、準備に結構時間が掛かる。その、準備の労力に見合うかどうかを考えてから、使用して欲しい。
※下の方で説明しますが、機械の力で思い切り締め付けたい場合は別です
・インパクトドライバーとドリルドライバーの違い
ウルトラファクトリーの工具について
書きかけの項目
・モンキーレンチ
別に使用者を猿だ何だとバカにしている訳ではない。由来には諸説あり、開発者の名前からつけられたとする命名者ネーミングセンス皆無説や、その形が顎を開いた猿に見えたとする命名者老眼説、配管工(マンマミーア)の一種のグリス・モンキーたちが愛用していたからとする命名者マリ夫説が存在する。ちなみに命名者がマリ男の可能性が一番高いらしい。
調節可能なレンチ、と言う画期的な道具で、前述のグリス・モンキー達も天井の配管を飛び回るのに邪魔にならないから、と言う理由で愛用していた。ただ、機構が組み込まれている道具の哀しさか、壊れやすく、アゴが滑る事によりナットが擦り減る事もあった。